住宅改修
改修手順と業者探し
昨今の入院期間の短縮により、リハビリ病院に入院すると早々にセラピストから
「自宅の図面を下さい」、「自宅の写真を撮ってきてください」、「どれくらいの予算ですか?」
などと質問を受けることがあるかと思います。
頚髄損傷の方やそのご家族は「早いなぁ」と思うかもしれませんが、住宅改修は早期から始めた方が得が多いです。
住宅改修の参考資料
【住宅改修の一般的な手順】
@ 入院〜3週目:家族は図面と写真を準備して、担当セラピストに渡す
A 3週目〜1か月:担当セラピストが不足分の写真の依頼、段差の高さなど測定を依頼
B 1か月〜2か月:改修業者の決定、セラピストは改修の第1案を構想
C2か月〜3か月:改修業者が自宅を訪問調査。改修業者、当事者、セラピストが改修案について相談、シミュレーションを実施し、改修を具体化する。
D 3〜4か月:改修案の決定。シミュレーションの継続。
E 4か月〜5か月:本人が自宅を訪問して改修の最終案の決定。絶対に本人不在で改修を進めないでください。
F 5か月〜7か月:住宅改修の助成を申請。着工、終了まで。
住宅改修はイレギュラーなことが多く、思ったようなスケジュールで進まないものです。
自論ですが、
「どんな住宅でも改修や福祉用具や福祉機器、介助方法や動作の工夫で何とかなります!」
「住めば都!」です。
【住宅改修業者を探す】
良い改修業者を選ぶことが住宅改修の最大のポイントです。自宅を改修した建築業者を選定する人も多いですが、あくまで超個人的意見ですがあまり勧めません。
改修業者の選定のポイントは大きく3つです。
1. 福祉用具と機器を熟知しており福祉用具の業者との密な連携ができる
2. 脊髄損傷の方(介護保険の高齢者ではなく)の改修の経験が豊富
3. 住宅の助成についての行政手続きを行ったことがある
これを満たすことができるのは、ほとんどが入院や入所の出入り業者だけでしょう。セラピストは立場的に出入り業者を推奨できません。実は私も一切、推奨しません。これは、改修業者と黒い関係を疑われないためにです。
まずは当事者で改修業者を選定させて、もしも業者が見つけられなければ、最後の手段として出入り業者を紹介するのです。出入り業者が改修の質が良いのに、何か変な話なのです。時代のせいですね。
(2016.1現在)